エレガントで深みのある「ワインの王様」
ファミリア・マローネが「我がファミリーとその歴史を体現するワイン」と言ってはばからないのがこのバローロです。近年、単一区画(いわゆる“クリュ”)の名を加えたバローロの人気も高まっていますが、このバローロは標高350 m に位置する砂を多く含む泥灰粘土質土壌Castiglione Falletto地区の畑と標高270 m に位置する石灰を多く含む粘土質土壌のLa Morra地区の畑の2つの個性が違う所有畑で育てられたブドウをブレンドして使用しています。創業時より4世代に渡って樽の活用法等情熱を傾けてきたとのこと。そしてこれは本来のバローロ造りの伝統でもあるのです。それぞれの土壌の性質からLa Morra地区のまろやかなワインに成熟し、他方は力強いスパイシーなワインに仕上がるとも言われ、それぞれの長所が合わさったように、エレガントで深みのある重厚なものに仕上がっています。20年以上の長期熟成が可能で瓶内でも熟成が進んでいきますので、年毎に味わい比べをするにも楽しみな偉大な1本です。葡萄品種:ネッビオーロ100%
AIS認定ソムリエ
クオルス・イタリア駐在員
小関智子 Tomoko Koseki
Famiglia Marroneファミリア・マローネ/ ピエモンテ
世界遺産の丘陵で繊細で優美な「バローロ」を作る三姉妹のワイナリー
ピエモンテの州都トリノから車で1時間ほど走ると、世にも美しいブドウ畑にたどり着く。なだらかな丘陵に規則正しく列をなすブドウの木。世界遺産にも認定されたこの絶景の中で、静かに、「ワインの王」と呼ばれるバローロが醸されている。「ファミリア・マローネ」は北西のラ・モッラ地区にあり、なめらかで香り高いワインを生み出すことで知られる。次女セレーナ曰く「マローネ家の出発点は、私たちの曾祖父Pietro(ピエトロ)の代からで、すでに100年を超えて今日に続いています。現在の事業を担っているのは4代目となる、Denise(デニーゼ:長女)、私 Serena(セレーナ:次女) とValentina(ヴァレンティーナ:三女)のマローネ三姉妹。私たちにもやっぱりその哲学が自然に受け継がれているわね。皆で常に未来を見据えながら、良いワイン造りはブドウ畑での惜しみない手間をかけた作業なしにはあり得ないという信念と、それに基づいた情熱をもって仕事に取り組んでいるわ。そしてその作業を通じて、この土地へのリスペクトの念も自ずと生まれることを実感しているの。ワイン造りの工程は大胆で力強く、でも仕上げるワインの味は女性の作り手らしく繊細で優美なもの、だけど主張はしすぎないもの、そんなワインを追求しているの。例えるなら、人生の輝けるほんの一時をともに過ごす素敵な仲間であるような、そんな心地よい存在として認識してもらえたら最高ね。そう、そこにはまるで私たち三姉妹も一緒に「乾杯〜」と参加しているみたいにね