守り続ける伝統的なエトナワイン
10月第1週の遅めにブドウはすべて手摘みで収穫します。ソフトプレスにて果汁を獲得、酵母は選択酵母を利用してステンレスタンクにて低温で
の温度調整をしながら発酵作業を行います。
Carricante (カッリカンテ)、 Cataratto (カタラット)、Grecanico(グレカニコ) 、 Minnella bianca(ミンネッラ・ビアンカ)のいずれもエトナ地方の土着
品種ぶどうのブレンドワイン。正にエトナを体現するワインで、フィリッポ・グラッソでも“守り続ける伝統的なエトナワイン”と位置付けられています。
エトナの火山岩土壌の恵みをたっぷりと受けたミネラリーでコクのある典型的な白ワインは、ペコリーノチーズや卵料理、また魚介のフリットとの相性は抜群です。
AIS認定ソムリエ
クオルス・イタリア駐在員
小関智子 Tomoko Koseki
Fillipo Grassoフィリッポ・グラッソ / シチリア
シチリアの土壌を生かしたワインを家族で作るフィリッポとマリアータ兄妹
シチリア島東部、エトナ山がよく見えるカンティーナ(ワイナリー)でぶどう作りとワイン醸造を一家で営むグラッソ一家。ワイン作りは兄のフィリッポと妹のマリアータが中心に行っている。ワインだけでなく、オリーブオイル(販売中)や野菜もほぼ自分たちで育てている。「野菜やハーブは畑で採れたもので、チーズとサラミは友人が作ってるもの。うちの畑の草をヤギに提供する代わりにもらったり、兄フィリッポの作るワインやオリーブオイルと交換したり」。パンは週に一度、父フェルナンドが作る。「この地域では、ずっと前からこうして暮らしてきた」。お互いに必要なものを交換して成り立つ、自給自足に近い生活。マリアリータは「グレートエクスチェンジ(大きな交換)」と言った。そこには人と人だけでなく、この土地の太陽や風、土など、自然と環境のすべてが関わり合っているのだろう。